こんにちは、hiroshiと申します。
診療放射線技師になりたいと思い、診療放射線技師について調べていると「就職難」という言葉を目にした方もいると思います。
診療放射線技師の資格が取れたとしても、就職できないと意味がないですよね。
就職できないんだったら「あきらめて他の職業を目指した方がいいのかも」と不安に思う方もいるでしょう。
この記事では診療放射線技師になりたいと思っている方の上記のような不安や疑問を取り除ける記事になっています。
今回は、「診療放射線技師は就職難じゃない理由」と「どうして就職難といわれているのか」を説明していきます。
現在、文系で診療放射線技師に興味をもち、進路に悩んでいる人はぜひこちらも参考にしてください。
目次
診療放射線技師は就職難じゃない理由
1：求人は全然ある
結論から言うと、診療放射線技師は就職難じゃないです。
「診療放射線技師 求人」で検索してもらうとわかると思いますが、一定数の求人は毎年出ていますし、大きな病院でも求人を出しています。
就職先として人気のある、大学病院や国立系の公的病院などは、求人サイトにあまり求人が載っていないため就職できないと思われている人もいるでしょう。
ポイント
大学病院や国立系の公的病院などは、求人サイトにはあまり載せず、自分の病院のホームページに載せるか、学校に直接求人をかけることが多いのです。
もちろん、大学病院や国立系の公的病院 以外の病院も学校に直接求人をかけています。
求人サイトに載っていない求人も学校には多くあります。
特に、中途ではなく、新卒の診療放射線技師が欲しい病院は学校に直接求人をかけるようです。
大学や専門学校に通ってないと、このことはわからないでしょう。
求人がないように見えて、診療放射線技師の求人は全然あります。
2：女性技師の需要は特に高い
下のグラフを見てもらうとわかると思いますが、年々がん検診の受診率は高くなっています。
乳がん検診は女性のみの検診です。
乳がん検診で、診療放射線技師はマンモグラフィ撮影を行っています。
乳房に直接触れるため、女性技師のみが撮影を行っている施設が増えています。
田舎の一部の病院以外は、ほとんどが女性技師のみで行っているでしょう。
ポイント
マンモグラフィの他に、婦人科系の検査でも同様に女性技師のみで行うことがあります。
そのため、今まで以上に女性技師の需要は高まっているのです！
3：JART（日本診療放射線技師会）でも取り上げられている
JART（日本診療放射線技師会）とは
公益社団法人日本放射線技師会（こうえきざいだんほうじん にほんほうしゃせんぎしかい）は、診療放射線技師によって構成される公益社団法人。1947年（昭和22年）に設立され、法人の設立は1951年（昭和26年）である。放射線療法に関する啓蒙、啓発活動や診療放射線技師の利益を守るための社会的活動などを行っている。診療放射線技師は強制的に加盟する必要はない。
Wikipedia-日本診療放射線技師会 より引用
JARTから2018年に「診療放射線技師数の需要と供給の将来予測」が報告されています。
そこでは、簡単に説明すると「需要と供給が逆転するのはまだ先の話」と書いてあるのです。
また、2019年には「診療放射線技師の需給現状と将来需要および処遇改善に関する調査研究」が報告されています。
その中では、
公益社団法人日本診療放射線技師会が実施する「平成29年度診療放射線技師業務実態調査報告」においては，診療放射線技師が「足りていない」と回答している施設が約半数，超過勤務が10時間を越える施設が約4割，有給取得日数も5日未満と回答している施設が12%を超えており，業務実態からは診療放射線技師の増員が必要な状況にあるといえる。
と書かれています。
ポイント
診療放射線技師が足りていないと答えている施設が約半数もあり、増員が必要と考えられているのです。
そのため、診療放射線技師の需要はまだまだあると言えますよね。
「就職難」といわれる理由
1：養成校が増えた
診療放射線技師が就職難になったといわれる理由の多くは、養成校が増えたせいでしょう。
診療放射線技師になるための養成校が、平成10年には大学と専門学校合わせて39校、定員2217名。
それに対して2021年現在は、大学と専門学校合わせて53校、定員は3000名を超えています。
上の表は平成29年までの値ですが、ここからさらに7校も増えています。
令和2年3月31日に川崎医療短期大学の放射線技術科が廃止されたため、1校減っています。
この数字だけ見るとかなり増えて、「技師の供給過多なっているのでは？」と思う方も多いでしょう。
確かに、近年では養成校が増え、それに伴い定員数が急激に増えていますが、下のグラフより、毎年一定の合格率ではなく、国家試験の難易度によって合格率が大きく異なることがわかると思います。
診療放射線技師を急激に増やすと、就職難になるのを速めてしまうため、もしかしたら、これから国家試験の難易度が少し上がっていくかもしれませんね…
2：病院の数が減った
次にあげられる理由は「そもそも病院の数が減った」ためでしょう。
確かに、病院と呼ばれる医療施設は毎年減っています。
10年前と比較すると400以上減っています。
厚生労働省-医療施設調査・病院報告よりグラフ作成
病院の数が減った理由の一つとして、「2025年問題」があげられるでしょう。
戦後の平和になった時代にたくさん生まれた「団塊の世代」と呼ばれる世代の人たちが75歳以上になり、医療と介護の需要が急激に上がると言われています。
しかし、それ以降は人口が減っていくことが予想されており、それを見据えて、国は病院を増やさない方針を取っているのです。
ただ、病院の数が減っても、人口の減少は緩やかと考えられているため、医療の需要はまだまだあります。
また、病院は減っていても、診療所やクリニックは増えています。
厚生労働省-医療施設調査・病院報告よりグラフ作成
病床数を減らして、病院から診療所、クリニックへ変更している病院も少なくないでしょう。
もちろん、診療所やクリニックでも診療科によっては診療放射線技師の需要があります。
大きな病院で常に忙しく働くのが向いていないと思う人は、比較的ゆっくりしている診療所やクリニックの方が働きやすいと思います。
3：定年後再雇用制度によってやめる人が減った
定年後再雇用制度は、平成25年4月1日から施行された高年齢者雇用安定法の改正により、希望者を65歳まで雇用することを義務化した制度になります。
60歳で定年退職していた人が、希望すれば65歳以上でも働けるようになりました。
60歳を迎えて退職する予定だった人たちが退職せずに病院に残るため、採用枠が開かず、次の採用が先送りにされます。
これにより、新卒は入りたくても入れない状態になったのです。
ですが、現在は施行されて5年以上たち、65歳を超えてきたので採用枠も開いてきたと思います。
まとめ
今回は診療放射線技師は「就職難じゃない理由」「就職難といわれる理由」を説明してきました。
診療放射線技師は就職難じゃない理由
- 求人は全然ある
- 女性技師の需要は特に高い
- JART（日本診療放射線技師会）でも取り上げられている
です。
就職難といわれる理由
- 養成校が増えた
- 病院の数が減った
- 定年後再雇用制度によってやめる人が減った
です。
診療放射線技師になりたいと思ったのなら目指すべきです。
今がチャンスです。
あとから診療放射線技師なりたいと思っても、そのときには今よりも就職がきびしくなっているかもしれません。
就職難だから診療放射線技師にならないと考えるのはもったいないと思います。
「診療放射線技師は就職難」と取り上げられていますが、就職できないわけではないです。
気になったのなら、オープンキャンパスに行ったり、資料請求をするのもいいと思います。
診療放射線技師になりたいと思った方はぜひこちらも参考にしてみてください。
診療放射線技師の学校の資料請求は無料で行えます。
今回は以上になります。