こんにちは、hiroshi と申します。
人間ドックの種類の中に「脳ドック」ってありますよね。
「実際どんなことするの?」「脳ドックを受けたら何がわかるの?」こんな疑問を持つ人は少なくないと思います。
実際、「人間ドックは毎年受けてるけど、脳ドックは受けたことがない」という人も少なくないでしょう。
そんな疑問が解消される記事になっています。
今回は、「脳ドックでなにをするのか」「脳ドックでわかること」などをかんたんに説明していきます。
目次
脳ドックについて
まず、名前の通り脳ドックでは脳の病気や異常を調べるために行います。
厚生労働省が発表した2019年の人口動態統計の死因順位で「脳血管疾患」は第4位です。
脳血管疾患での死亡率は徐々に減少傾向ではあるのですが、それでも毎年多くの方が亡くなっています。
脳血管疾患を患うと、死亡しなくても後遺症が残ることがあります。
脳血管疾患の後遺症には具体例として以下のものがあげられます。
脳血管疾患の後遺症
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運動麻痺
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感覚障害
-
嚥下障害
-
構音障害
後遺症を患うと日常生活に支障をきたす恐れがあります。
最悪の場合、寝たきりの状態になる可能性もあるのです。
脳血管疾患にならないためにも、生活習慣の改善、早期発見、早期治療が重要です。
脳ドックの主な流れ
脳ドック検査当日の主な流れです。
簡単な流れ
- 血液検査
- 尿検査
- 心電図
- 頸動脈超音波
- MRI
- 診察
上記の流れで脳ドック検査を行っていきます。
病院によって、検査の順番や行っている検査内容に違いがあると思いますが、脳ドックではMRIは必ず受けることになります。
脳ドックの各検査でわかること
1.血液検査
血液検査、尿検査、は普通の人間ドックと同じです。
ですが、脳ドックではそれぞれの検査で特に注目すべき検査項目があります。
ポイント
脳ドックでの血液検査では、悪玉コレステロール、善玉コレステロール、中性脂肪が特に重要な検査項目になります。
これらは脳梗塞の原因になりうる動脈硬化を進行させるためです。
動脈硬化
動脈の血管が硬くなって弾力性が失われた状態。
内腔にプラークがついたり血栓が生じたりして血管が詰まりやすくなる。厚生労働省 e-ヘルスネット より引用
悪玉コレステロールは数値が高いとダメ、善玉コレステロールは低いとダメ、中性脂肪は高いとダメです。
血液検査を受けたら、悪玉コレステロール、善玉コレステロール、中性脂肪の数値をよく確認しましょう。
2.尿検査
ポイント
尿検査では尿糖が重要な検査項目になります。
尿糖が高い人は糖尿病の可能性があります。
糖尿病の人は正常な人よりも脳梗塞が起こりやすいと言われています。
その理由は、糖尿病などの生活習慣病は動脈硬化を促進させるためです。
糖尿病の人は脳梗塞になるリスク正常の人よりも、男性で2.2倍、女性で3.6倍と言われているのです。
また、糖尿病の患者は脳梗塞になった時の死亡するリスクも高いと言われています。
尿糖が高い人は糖尿病の可能性もあるので注意しましょう。
3.心電図
心電図の測定も脳ドックで行います。
「脳ドックなのになぜ心臓の検査が必要なの?」と疑問に思う人もいるでしょう。
ポイント
心電図を測定する理由は、脳梗塞の原因になりうる心房細動(不整脈)などがないかを調べるためです。
心房細動が起こると、心臓内の血流が悪くなり、血の塊である「血栓(けっせん)」ができやすくなります。
心臓でできた血栓が血管を通り、脳の血管で詰まると「心原生脳梗塞」と呼ばれる脳梗塞が起きてしまうのです。
大塚製薬-脳梗塞の種類 より引用
心臓でできた血栓はサイズが大きいものが多いため、脳の血管の太い部分で詰まりやすくなります。
脳の太い血管の部分で詰まると、血液が届かない範囲が広くなり、広い範囲が脳梗塞を起こしてしまうのです。
そのため、「心原性脳梗塞」は脳梗塞の中でも重症化しやすいといわれています。
以上のことから、脳ドックでも心電図を測定しているのです。
4.MRI
頭部MRI
MRIは脳ドックで1番重要な検査といっても過言ではないでしょう。
MRIの検査でさまざまなことがわかります。
具体例として以下のようなことがわかります。
MRIでわかること
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脳梗塞
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脳出血
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脳腫瘍
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脳動脈瘤
これらはMRIの画像上に写るので、画像を見ればすぐにわかる場合が多いです。
頭部MRA
MRAはMRIで撮像できる画像の種類のことをいいます。
簡単に説明すると、MRI装置で撮像するMRA画像ということです。
なので、よく別々に書かれていますが、検査自体は同じです。
頭部MRAは脳の血管の形状を見るために撮像します。
MRAは左の画像を何枚も重ねることによって、右の立体的な画像を作ることができます。
MRA画像
3D化したMRA画像
白く描出されている線全部が脳の血管です。
太い血管から、細い血管まであり、これらの血管が少しでも詰まると、「脳梗塞」になります。
ポイント
脳ドックにおけるMRIの検査で1番重要なのは「脳動脈瘤の有無」です。
MRAの画像から「脳動脈瘤の有無」を判断します。
動脈瘤とは血管にできたコブのようなものです。
なぜ「脳動脈瘤の有無」が重要かというと、脳動脈瘤が破裂すると、「くも膜下出血」と呼ばれる脳出血が起こってしまうからです。
「くも膜下出血」は激しい頭痛と吐き気を起こし、場合によっては死に至る危険なものです。
さらに、「くも膜下出血」が原因で後遺症が残る可能性は高いです。
頭部MRA画像から脳動脈瘤を早期発見できれば、くも膜下出血を未然に防ぐことができるのです。
頚部MRA
MRIでは脳の血管の他に、首の血管も調べることができます。
下図が頚部MRAの画像を立体的にしたものになります。
3D化した頚部MRA画像
頭部MRA画像と同様に、首の血管に閉塞や狭窄がないかがわかります。
VSRAD
MRIではアルツハイマー型認知症かどうかの診断の目安にもなります。
VSRADと呼ばれるものです。
VSRADはMRIで撮像した画像を専用のソフトを使い、海馬傍回と呼ばれる記憶に関係する脳の一部の萎縮率を数値化します。
VSRADの結果だけでは認知症かどうかの診断はできないのですが、海馬傍回の萎縮率を数値化することで、アルツハイマー型認知症かどうかの診断の目安になるのです。
以上のことがMRIでわかります。
MRIは多くの情報を得ることができるので、脳ドックで1番重要な検査といわれているのです。
5.頚動脈超音波(エコー)検査
頸動脈超音波検査は頚部MRAと同様に、首の血管を調べる検査になります。
ポイント
エコーは血管の壁と血管の内側を調べることができます。
血管の内側にプラークがないか、血管が狭窄していないかなどがわかります。
頚部MRAでは血管の壁や血管の内側までは調べることができません。
MRIではわからないことをエコーで補っているのです。
また、頚動脈超音波検査は動脈硬化の有無も手軽に調べることができます。
頚動脈は動脈硬化になりやすいので、全身の動脈硬化の指標になるのです。
動脈硬化があると、血管が狭くなったり、詰まったりして血栓を形成しやすくなります。
首と脳は近いので、首で血栓が形成されると、脳梗塞になる確率が高くなってしまいます。
脳ドックが受けられない人へ
「忙しくて脳ドックを受けるヒマがない」
「受けに行くのがめんどくさい」
「コロナが流行ってるから病院に行きたくない」
上記のような理由でなかなか脳ドックを受けられない人はせめて、健康診断は受けましょう。
企業に勤めている人は義務的に健康診断を受けることになると思いますが、そうでない人は自分から健康診断の申し込みをしなくてはなりません。
健康診断を受けに行くのすら難しい人は、こちらをおすすめします。
※楽天市場では取り扱っていません。
家にいながら自分で血液検査をすることができるキットです。
ポイント
脳ドックでの血液検査で注視すべき悪玉コレステロール、善玉コレステロール、中性脂肪の数値も確認できます。
30日間無料で専門家に健康相談ができ、検査結果に応じたアドバイスを提示してもらえるので、どうしても病院へ行くのがめんどくさい人はぜひご活用ください。
まとめ
今回は「脳ドックでなにをするのか」「脳ドックでわかること」を説明してきました。
簡単な流れ
- 血液検査
- 尿検査
- 心電図
- 頸動脈超音波
- MRI
- 診察
脳ドックで注視する箇所は、以下の具体例があげられます。
脳ドックで注視する箇所
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血液検査:善玉コレステロール、悪玉コレステロール、中性脂肪の数値
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尿検査:尿糖の数値
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心電図:心房細動(不整脈)の有無
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MRI:脳梗塞や脳出血、脳腫瘍、脳動脈瘤の有無など
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頸動脈超音波:頸動脈の血管の壁の厚さ、血管の内側の状態
脳血管疾患を患うと、後遺症により介護が必要になる場合も少なくないです。
介護が必要になった主な原因の順位で、第1位は「認知症」。その次に「脳血管疾患」があげられています。
どちらも脳に関係がある病気ですよね。
それほど脳血管疾患はタチが悪いのです。
脳血管疾患は自分だけでなく、家族や他人にも影響を与えてしまいます。
脳ドックを受けて防ぎましょう。
脳ドックを受けようと思った方はぜひ参考にしてください。
今回は以上になります。