こんにちは、hiroshiと申します。
健康診断や人間ドックなどで胸部レントゲンを撮ったことがある方は経験あると思いますが、撮影するときに、「息を大きく吸ってください」「息を止めてください」など呼吸の指示をされたことがあると思います。
また、撮影が終わっても、やり直しで再撮影されて不思議に思ったことがある人もいるでしょう。
この記事はそんな疑問を解決できる記事になっています。
今回は、「息を大きく吸う理由」「胸部レントゲンを撮影する理由」「いい胸部レントゲンを撮ってもらうコツ」「胸部レントゲン以外で呼吸の指示がある検査」について紹介していきます。
目次
息を大きく吸う理由
胸部レントゲンを撮影するときに、「息を大きく吸って、息を止めてください」と言われたことがあると思います。
その理由にはいくつかあるので、説明していきます。
可見域を広げるため
息を大きく吸う理由は、「可見域を広げる」ためです。
可見域とは、読んで字のごとく、「見ることが可能な領域(範囲)」のことです。
「可見域を広げる」とはどういうことかというと、下の画像を見てもらえばわかると思います。
息を吸って撮影
息を吐いて撮影
息を吸ったときに撮影した画像と、息を吐いた状態で撮影した画像になります。
息を吸って撮影した画像は肺(黒く写っている範囲)が広く、息を吐いて撮影した画像は肺が狭いですよね。
肺が広く写っていると、それだけ病気を見つけやすくなります。
画像のブレを無くすため
息を吸ったあと、息を止めるように指示されると思います。
息を止める理由は、「画像のブレを無くす」ためです。
画像のブレとは、カメラで写真を撮るのと同じで、動いているものを撮ると、画像がブレてきれいな画像が撮れないですよね。
それと同じで、胸部レントゲンも呼吸の動きによって画像がブレてしまう場合があるのです。
それが原因で、本当は病気がないのに、病気あるように見えたりしてしまうことがあります。
最近の装置では、早く撮影できるので、あまり影響がないと言われていますが、撮影し直すことがないように、息を止めてもらっているのです。
再撮影になったのは、過去の自分の胸部レントゲン画像と比較して、しっかり息が吸えなかったため肺が小さかったり、画像に少しブレがあったりしたためでしょう。
胸部レントゲンを撮影する理由
まず、そもそも胸部レントゲンは肺、気管、心臓などを見るために撮影します。
胸部レントゲンでわかる病気は
・肺炎
・肺がん
・肺結核
・気管支炎
・心肥大
などです。
胸部レントゲンで上記のような病気が見つかると、胸部レントゲンだけでは詳しくわからないため、精密検査のために他の検査を受けることになります。
主に、CTが追加されるでしょう。
上記のような病気がないか、確認するために、胸部レントゲンは重要な検査になるのです。
いい胸部レントゲンを撮ってもらうコツ
病気を早期発見するためにも、いい胸のレントゲンを撮影する必要があります。
そのための、コツを紹介します。
コツ
・体につけている金属類を外す
・肩の力を抜く
・息を大きく吸ったまま、息を止める
体に付けている金属類を外す
体に金属類が付いていると、画像に写ってしまい、診断の邪魔になるので体に付けている金属類は全て外しましょう。
詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。
肩の力を抜くようにする
体に力が入っていると、息が大きく吸えません。
息を吸うときにはリラックスして、大きく息を吸いましょう。
また、肩に力が入っていると、肺と肩甲骨が重なってしまい、診断の邪魔になってしまいます。
肩の力を抜きましょう。
息を大きく吸ったまま、息を止める
大きく息を吸って肺を膨らませても、息を吐いてしまうと結局範囲が狭くなってしまいます。
1番大きく吸った状態で息を止めるのがベストです。
息を吸って、止めるタイミングは指示があると思うので、その指示に従って合わせましょう。
胸部レントゲン以外で呼吸の指示がある検査
胸部レントゲン以外の検査でも息を吸ったまま撮影する検査があります。
また、逆に息を吐いたまま撮影する場合もあります。
胸以外のレントゲン
胴体を撮影するときには基本的に息を止めて撮影するのが望ましいといわれています。
・首
・鎖骨
・肋骨
・肺
・腹部
・骨盤
これらは上記と同じ理由で、呼吸の動きによって画像がブレてしまう可能性があるため息を止めて撮影します。
肺、肋骨などは息を吸って撮影。
逆に、腹部は息を吐いて撮影します。
診療放射線技師が撮影する前に呼吸の指示を出すので、それに従っていただけたら大丈夫です。
注意ポイント 息を吸ったり、吐いたりしたら1番吸った状態と吐いた状態で息を止めるようにしましょう!
上記のように、せっかく肺を膨らませても、撮影する前に息を吐いてしまうと、膨らませた意味がなくなってしまいます。
頭部、上肢(手、腕)、下肢(太もも、膝、足)などは呼吸は関係ないので、息を止める必要はありません。
ただ、動かすと画像がブレてしまうので、撮影する前には動かさないようにしましょう。
CT
CTでもレントゲンと同様に呼吸の指示があります。
基本的にレントゲンと同じで胴体(胸、腹)などを、撮るときには息を止めて撮影するようになります。
CTはレントゲンよりも撮影時間が少し長いため、息を止めておく時間も長くなるでしょう。
また、CTでは息を止める回数が多いです。
検査によっては5回〜6回息を止める場合もあります。
少し大変かもしれませんが、頑張って息を止めるようにしましょう!
ポイント
CTでの頭部や上肢、下肢の撮影はレントゲンと同様に息を止める必要はないですが、動かないようにする必要があります。
上記でもあるように、CTはレントゲンよりも撮影時間が長いため、動かさないようにする時間が長いです。
痛くて体勢がキツく、じっとしておくのが難しそうな場合は遠慮なく言っても大丈夫です。
動かすと画像がブレてしまうので、撮影中は動かさないようにしましょう。
MRI
MRIの検査でも撮像部位によっては息止めをします。
肝臓や胆嚢、膵臓など腹部を撮影するときは、1回の検査中にかなりの回数の息止めの指示があります。
また、一回に20秒近く息を止めておく場合もあるので1番大変かもしれません。
MRIの検査時間は長いです。
検査によっては終わるまでに40〜50分かかるものもあります。
そのため、じっとしておく時間も長くなるでしょう。
さらに、MRIは特に動きに弱い検査です。
ポイント
基本的にMRIの検査は精密検査の場合が多いため、重要な検査になります。
撮影中に動くと、見たい場所がブレてよく見えなくなってしまいます。
できるだけ頑張ってじっとしておきましょう。
まとめ
今回は、「息を大きく吸う理由」「胸部レントゲンを撮影する理由」「いい胸のレントゲンを撮ってもらうコツ」「胸部レントゲン以外で呼吸の指示がある検査」について紹介してきました。
胸部レントゲンで息を大きく吸って、止める理由は
・可見域を広げるため
・画像のブレをなくすため
です。
胸部レントゲンを撮影する理由は
胸部レントゲンは肺、気管、心臓などを見るために撮影して、下記の病気を見つけるために撮影します。
・肺炎
・肺がん
・肺結核
・気管支炎
・心肥大
などです。
いい胸部レントゲンを撮ってもらうコツ
・体につけている金属類を外す
・肩の力を抜く
・息を大きく吸ったまま、息を止める
です。
胸部レントゲン以外で呼吸の指示がある検査
・胸以外のレントゲン(胴体)
・CT(胴体)
・MRI(主に腹部)
です。
注意ポイント
レントゲン、CT、 MRIのどの検査でも撮影中は動かないことが重要。
呼吸のタイミングは診療放射線技師の指示に従っていただけたら大変ありがたいです。
いい胸部レントゲンを撮影して、病気の見落としがないようにしましょう。
ぜひ参考にしてください。
今回は、以上になります。